君色
明らかに様子が変だった。
見逃すには顕著過ぎる違和感に首をかしげた私に、彼はそっと近付いて何か言いたげに俯いた。
「ん?どうしたの?」
雅史が何か呟く様な声を漏らし私から目を逸らす。
雅史の目に涙がたまっている様に見えた。
嫌な予感がした。
勘違いならいいけれど。
何でだろう。
背筋がぞっとして鳥肌が立っているのに手に汗をかいていた。
先生の姿が一瞬私の脳裏をよぎる。
もしかして
先生のこと……
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