君色



出会ったのは

紅や黄色に色付いた葉が風に舞う、過ごしやすい秋だった。

お互い高校生だったあの頃

私達は共通の友達を通じてある小さなパーティーで知り合った。

彼に伝えてもきっと信じないだろうから言わないけれど

というか奴は腹を抱えて笑い、また私を不安な気持ちにさせるだろうから

絶対

絶対

絶対言わないけれど

初めて言葉を交わしたあの日から

私はずっと好きだった。



友人に誘われて参加したハロウィンパーティー

真っ黒な魔女の帽子を頭に乗せ

カラフルなステッキを振り回しながら

馬鹿みたいに騒ぐ君に見とれてしまったんだ。



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