君色



パーティの日

彼は、愛想笑いを見せる私に言った。


「りかちゃんだよね?可愛いー!付き合ってくれ!」


悪びれず私にそんなことを言ったんだ。

彼は少しだけ顔を赤くして、私の目を見ていた。

馬鹿みたい、なんて心で呟く私。

けれど頭で考えていることとは正反対に、胸は高鳴っていた。

彼と目が合った一瞬、本当に時間が止まったみたいに感じたんだ。



私が言葉を返す間もなく

彼は友達と笑い合い、はしゃいでどこかへ行ってしまったけれど

彼の笑顔を視線が追ってしまっていた。



胸が高鳴って頬が燃える様に熱くなったのを今でも覚えてる。

あの一瞬だけで運命感じたのはやっぱり

私だけかな。



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