君色
「先生……ごめん…私も………先生が好きだよ…………先生だけだよ」
嘘偽りのない私の心と言葉。
雅史といる時間に罪悪感を覚えていたのは先生のせいじゃない。
先生をまだ好きな私の心のせいだったんだ。
先生を好きなのに
こんなにも好きなのに。
仕事が忙しいと言ってだんだん連絡をくれなくなった先生
私との約束よりも、生徒の進路相談を優先させてデートをドタキャンした先生
寂しくなった。
意味なんてないのに生徒に嫉妬した。
苦しくなった。
先生と正反対の雅史。
雅史を思って先生を嫌いになろうとした。
けれどいつも
いつも
いつも
いつだって
私は先生と彼を比べてばかり。
ずっとずっと先生が心から離れてなんていかなかった。
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