君色
彼が寝息を立てている間に人気歌手の主題歌で映画は締めくくられて
感動を分かち合った観客達は皆そろって会場外へ消えてしまっていた。
そうして取り残された私達2人
「もー、早く立ちなさい、帰るよ、バカ史!」
「俺はバカ史じゃない!雅史だ!まさし、だ!何回言っても彼氏の名前を覚えられないのかこのアホ!」
そう
私達はあれから様々な波乱を乗り越え、付き合うことになった。
俗に言う、ラブラブってやつからは程遠いかもしれない。
けれど子供みたいにこうして彼と騒ぐ時間が私の宝物だった。
わめく雅史を放って荷物をまとめ会場の外へ出る私
慌ててついてくる足音
天気はあいにくの雨だった。
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