Kissシリーズ・「眠り王子とのキス」
だから何かしら理由をつけては、話から逃げていた。

でもあたしの誕生日、彼は近くの公園で待っていると言ってきた。

来てくれるまで待っているって。

あたしは行きたくなかった。

でも…それまでの自分を振り返って、お互いに別れた方が良いんじゃないかって、思えた。

待ち合わせの時間から、4時間が過ぎていたけれど、もしかしたら本当に待っているかもしれない。

そう思って、あたしは家を出た。

そして公園に行く途中で、騒ぎに気付いた。

近くにいた人に聞くと、暴走してきた車が公園に突っ込み、一人の男の子が轢かれたと言う。

ものすごくイヤな予感がして、あたしは人ごみを押しのけて救急車の前に来た。

そこには…傷だらけの彼がいた。
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