ケータイ電話の都市伝説
そう言うとマカは踵を返し、家から飛び出した。

続いてミナも追って来る。

マカはケータイ電話を取り出し、素早く操作をし、例のサイトから魔方陣の画面を出した。

黒い画面に浮かぶ青白い魔方陣。

「私は【解放】を望む。限界からの【解放】をっ!」

マカがそう呟くと、魔方陣が赤く光輝いた。

マカはその光を眼に受けると、地面を思いっきり強く蹴った。

マカの体は二階建ての家の屋根の上に上がった。

―ぐるっ!―

するとミナも同じように飛んで来た。

マカはケータイを握り締めながら、屋根に飛び移る。

しばらくミナと走り、二人は学校の屋上までやって来た。

「ここなら誰の邪魔も入らないだろう」

そう言って、マカはミナと向き合った。

「さて、ミナ。人間としての理性を失ってまで得た【解放】の力はどうだ? 今のその姿が、お前の望んだものなのか」

―ぐっ…!―

「お前が何を思い、【解放】の力を求めたのかは私は知らないし、知らない方が良いのだろう。だが…」

マカは真っ直ぐにミナを見た。

「今のお前は私の親友じゃない」

ミナの眼が揺らいだ。

そんなミナの様子を見て、マカは苦笑した。

「今のミナは好きじゃないよ」

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