ケータイ電話の都市伝説
マカは振り返り、ミナの眼を真っ直ぐに見つめた。

「ミナ、昼休み。教室飛び出した後、何していたんだ?」

「何って…」

ミナの顔色はすでに白かった。

そのままミナの家の前まで来たので、話しは中断した。

「…何って…」

ミナはぼんやりと言葉を繰り返した。

今はもう夜。そろそろ寝る時間だ。

しかし眠気が無い。

マカの言葉が頭から離れないのだ。

このサイトの悪いウワサはある程度知っていた。

でも今更止めるワケにはいかなかった。

「マカにやっと近くなったのにっ…!」

ギリッと唇を咬んだ。

マカは成績優秀者として、そしてあの人離れした雰囲気によって、一目置かれた存在だった。

それが口数少なく、取っ付きにくい性格でもだ。

そんなマカが、自分と親しくしてくれる理由が分からなかった。

出会いは入学式の時。

クラスに入って、マカと眼が合った。

それだけでマカの方から近づいて来てくれた。

それ以来、親友と呼べるぐらいまで仲良くなったつもりだった。

しかし不安は募るばかり。

マカに一度、何故『自分』だったのか尋ねてみた。

「一緒にいるのが楽だから。ミナは純粋だから」

…と、的をえない返答だった。
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