モノクロ
彼の誕生日
“一緒に出掛けることはあまり出来ない。辛い思いもさせるし我慢もさせると思う”
そう言ったけど、圭吾は一緒にいてくれた。
夏休みは一緒に海に行ったりもしたし、お祭りや花火大会にも連れて行ってくれた。
もちろん遥や紗依子、琢磨達とも遊んだり一緒に宿題片付けたりして、あっという間に夏が過ぎ。
中間テストも無事にパスして、季節が秋めいてきた頃。
「ねぇ。紗依子はさ、彼の誕生日、何あげる?」
私の今一番の悩み事。
「彼の好きな物」
紗依子サン、それはそうですケド……。
「何? 彼の誕生日、近いの?」
天気がいいから中庭で食べようということになり、私達は中庭の芝生でお弁当を広げていた。
「うん、みたい。でも、何あげたらいいかわかんなくて……」
「……みたいって何よ?」
遥がわけわかんない、って顔でから揚げを口に運んだ。