モノクロ
圭吾の誕生日が二週間後に迫っていた。
バイトしてるから、プレゼントは自分のお金で買える。
だけど、何買ったら圭吾が喜んでくれるのか、全然思いつかなかった。
ちなみに、相手が久我先生だってことはもちろん内緒だけど。
働いてる人だってことは二人には言ってあった。
「社会人でしょ? ネクタイとか、財布とか、身に付ける物は?」
「ネクタイねぇ……」
圭吾ってネクタイしてたっけ?
……いや、してない。
財布はちょっと高そうだしなぁ。
「アクセサリーは?」
大事にしてるのは、あの星模様の入った指輪。
指輪であれ以外ってしてるの見たことないし、他に何か付けてるのも見たことない。
「真央! 聞いてる?」
「えっ、あ、うん、聞いてる」
ちゃんと聞き過ぎて、返事するの忘れてた……。
「ま、ゆっくり考えなよ。それに、彼女が考えて選んでくれれば、何でも嬉しい。……って、言ってた……よ」
紗依子、語尾がどんどん小さくなってるよ。
「「……誰が〜?」」
遥と二人、思わずツッコんでしまう。
「……知らない」
赤くなる紗依子を見て、遥と顔を見合わせて笑った。