モノクロ
「みんな、お疲れ様でした! 乾杯!!」
見事、売上一位を達成した私達は、まだ余韻の残る教室で祝杯を上げていた。
──もちろんジュースで。
「すごいね! まさかホントに一位になるなんて」
「うちのクラスだもん。当たり前!」
今日一日浴衣で、宣伝や実行委員の仕事で駆け回っていた遥が胸を張った。
紗依子も着付けと厨房で頑張っていた。
「後夜祭、行くでしょ?」
「あ……私パス。これから迎えに来るらしいから」
そう言った紗依子は、すでに制服に着替えていた。
「彼氏、見に来てくれなかったの?」
「接客じゃなかったしね。それに、塾もあったみたいだから」
紗依子と彼は変わらずラブラブで、たまに迎えに来てるのを見たりする。
「いいなぁ」
やっぱり遥はうらやましそうだけど、淳くんとお似合いなのに……って言ったら何て言うかな?
「……あ、来たみたい。じゃ、お先に」
震えた携帯を確認して、紗依子が先に帰った。
「うん、ばいばーい」
その時、実行委員を呼び出す放送が掛った。
「ちょっと行って来る。真央、先着替えてなよ」
「わかったー」
遥と淳くんが教室を出ていった時、今度は私の携帯が震えた。
[着替え持って準備室来て]