モノクロ
「……結局仲良いんだよな、あいつら」
そう、あんなこと言っても遥は淳くんのことが好きだし、二人にすれば仲直りするはず。
「そんな髪して、お前も今日はデートだろ?」
「……ん、まぁ……」
「俺様の胸が必要ないのはいいことだ」
…………。
どういう反応をしたらいいのか、困ってしまう。
琢磨は今、私のこと、どう思ってるんだろう。
「この俺様が一人とはねぇ……。世の中の女は何してんだか」
「……何それ」
琢磨の言葉に思わず笑った。
「お前はそうやって笑ってろ」
そう言って私の両頬を包むように手を当てた。
ドキッとして琢磨を見上げたのも束の間、頬を横に引っ張られた。
「……痛いってば」
「じゃ、良いお年を」
まだ少し早い言葉を残して、琢磨は改札を通って左に折れた。
家に帰って、こないだ買ったばかりのワンピースに袖を通す。
巻いてもらった髪とも雰囲気が合ってる。
ピアスもペンダントも圭吾からもらったものをつけた。
そして、ちょっとだけ濃い目のメイクをして家を出た。
プレゼント、喜んでくれるといいんだけどな。
買い物をして、圭吾の部屋の鍵を開ける頃には夕方になっていた。
いつもと変わりないのに、ちょっと緊張するのは何でだろう。
キッチンに入り、食事の準備をしようとした所だった。