モノクロ
「ねぇ、新入生代表が同じクラスってすごくない?」

横向きに座りながら話していたら、遥が窓際の席をチラリと見て言った。


「……そうだね」


視線を向けられた先にいたのは……琢磨。

新入生代表なんてアイツ……主席入学ってことじゃんか。


「しかもちょっとカッコイイし」

「……そう?」


琢磨がカッコ……イイか。

中学の時もモテてたもんね。


「ねぇ、真央って彼氏いるの?」

「いないよ」

「うそー」


彼氏……か。

高校生になったら出来るのかな?

恋愛してる自分なんて、今は想像できないや。




「席着けー」

ガラッと前のドアが開いて、黒いスーツを着た先生が入って来た。


「早く席着けー」


入って来た担任の先生らしき人物は、黒髪を後ろに流し、銀縁のメガネを掛けていた。


意外と若い先生だな。


中学校の時の担任は、定年間近のおじいちゃんに近いくらいの先生だったから、余計にそう感じるのかも。


特にそれ以上の興味もなかったから、なんとなく黒板を見ていたら、先生の自己紹介が始まった。



「今日からこのクラスの担任をすることに……」

先生はなぜかそこで一度言葉を詰まらせた。


どうしたのかと思って先生を見ると……目、合ってる?
< 26 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop