モノクロ
新しい下着を買うんだと言う遥と一緒に駅ビルに入った。
「これ、どう?」
「かわいいんじゃん?」
「これは?」
「んー、さっきの方がいいかも」
そんな事を言いながら、私も店内を物色した。
そろそろ本気でバイト先、探そうかな。
「真央は買わないの?」
結局、最初のセットを手に取った遥。
「私? 私はいいよ……」
「女の子はいつもおしゃれしてなきゃ。真央、かわいいのにもったいないよ」
いや、かわいいのは遥の方だし。
「いいよ、そんなの」
「嘘じゃないし!」
「……ありがとう」
結局その場は遥の買い物だけしてお店を出た。
「真央、彼氏いないって言ってたけどさ」
買い物が終わって、私達はカフェにいた。
「好きな人もいないわけ?」
「遥は……琢磨のこと、本気なの?」
「ちょっ! 私のことはいいのっ!」
遥はそう言いながらも、顔を赤くした。
やっぱり、琢磨のこと……。
「どうなのよっ?」
「いないよ」
「ホントに?」
「ホントに!」
琢磨のことは好きだけど、そういうんじゃないし。
──……。
一瞬、先生の顔が浮かんだ気がした。
……何で?