モノクロ

今度は私が拗ねる番。

だって、好きって言われたこと、ないよ……？


「お前が見本見せてくれたらな」

「見本？」


……押し倒された状態で、こんなことを言い合ってる私達は、おかしいのかな？


「ほらっ」

「……っ、す、す、す、き……」

言わせたクセに、先生は一瞬目を大きくして驚いた表情をした。


でもすぐに目を細めて微笑むと、

「俺も」

って言葉と一緒にキスが降ってきた。


「ずるいっ……！」

「もういいから黙って」


言葉を発することも出来ないくらいに、たくさんのキスが降ってくる。

おでこ、耳、首筋──……。



パーカーに手が掛って、あっという間に取り払われた。

露わになった肩にキスが落とされて、キャミの肩紐に手が掛った時、動きが止まった。


「……？」


「ベッド、行こうか」

熱を持った顔で頷くと、唇にキスをひとつ落とされ、抱きかかえられた。


ベッドに向かう間もドキドキが増すばかり。



「緊張してんの？」

ベッドにそっと寝かされる。


「……少し」

少しなんて、嘘。

心臓の音が聞こえるんじゃないかってくらい、ドキドキしてる。


「……真央」

ドキッ

真っ直ぐな瞳で見つめられる。

返事の代わりに、指先を絡めた手に力を込めた。





「──好きだよ」