「たまにはさ自分の声を奥底に沈めたりしないでさ…
叫んでみればいいじゃん」


「うん」


「私はこう思うって
叫んで
嘆いて
泣き喚いてみればいいじゃん」



「うん」


「感情が出せなかったらまた俺に話せばいいじゃん
俺は聞くよ
美咲の話聞く
ちゃんと聞くからさ

閉じこもらないでよ」



「勇気…
ありがとう」


「俺はさ…
今伝えたくても伝えれない事がある
伝えちゃいけない言葉が一つだけあるんだ…」


「伝えちゃいけない言葉?」


「そのうちわかるし
そのうち言うからさ」


「そう…
わかったょ」


その後私たちはそれぞれの部屋に帰った



この頃の私には勇気が言葉の深さなんか全く知らなかった
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