勇気

次の日

帰える途中にまた丘に寄った



そしてすぐに勇気がきた



「またいた」



「ってか、いたからってわざわざ来なくてもいいじゃん」



「なんで?
だって話たいんだもん」


「私と?なんで?」



「美咲に興味がある」


「意味わかんない」



「この前喧嘩してるのみた」




「だから?」



「でも仕事はしっかりやってる」



「なんでわかんの?」



「あの映画館の従業員だもん
すぐわかるよ」


「まぁ、従業員少ないし
興味本位で入ってくるやつたくさんいるからね」



「でも、喧嘩いがいの感情は表にださない」



「例えば?」



「楽しいハズなのにハシャゲない

言いたい事があるのに言わない

イラついてるハズなのに文句一つでさない

疲れない?」



「多分疲れる
だから喧嘩で発散」



「そうゆう事か
なんで言いたい事言わないの?」



「言ったって意味ないじゃん
誰が聞いてくれんの?

伝わらないなら意味がない」


「ん~難しい~」



「難しくないよ
単純な話」




「そうかな~
俺、馬鹿だから難しい

彼氏は?」


「いない」


「兄弟は?」



「いない」


「一人っ子か~」


「じゃ、3人家族だね」



「親もいないよ」



「なんで?」



「親に借金があって私を置いて逃亡したらしい
だから施設育ち」


「俺と一緒だ」


「施設育ちなの?」


「ってか今現在施設にいる」



「あっ、ここの通りの水色の建物の施設?」



「そうそう
だからここが通り道」


「ふ~ん
なんの仕事してんの?」

と私は聞いた
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