ロンドン バイ ナイト
ジョージ・サンダーソン5
奴が姿を見せなくなってもう数年だ。
遠く亜米利加(アメリカ)の地で起きた事件も奴のせいだと言う奴らもいるが、もしそうだとしてもこの倫敦に奴がいないのならばそれでいい。
一年足らずで世間を引っ掻き回し、正体もわからないままに消え去った殺人鬼。
容疑者は何人もあげられたが、結局チェックメイトに至った者はいない。
余罪は山ほど出てきたがな。
時効までは時間がある。諦めるわけにはいかない。
しかしなぜだろうな。
絶対に奴を見つけることはかなわない。
そう、思うことがあるんだ。
どうかしてるよ、本当に。
一八九四年 八月十日 ジョージ・サンダーソンの手紙より抜粋
遠く亜米利加(アメリカ)の地で起きた事件も奴のせいだと言う奴らもいるが、もしそうだとしてもこの倫敦に奴がいないのならばそれでいい。
一年足らずで世間を引っ掻き回し、正体もわからないままに消え去った殺人鬼。
容疑者は何人もあげられたが、結局チェックメイトに至った者はいない。
余罪は山ほど出てきたがな。
時効までは時間がある。諦めるわけにはいかない。
しかしなぜだろうな。
絶対に奴を見つけることはかなわない。
そう、思うことがあるんだ。
どうかしてるよ、本当に。
一八九四年 八月十日 ジョージ・サンダーソンの手紙より抜粋