ロンドン バイ ナイト

ジル・アン・エドワーズ2

 ジュスティーヌ様。仏蘭西から来た、私のお得意様。素敵なレディ。

 女性なのに女の子を買うなんて変な趣味と思ったけれど、私にお洒落をさせてくれて、砂糖菓子をくれて、でも、時々娼婦らしいことをさせる。素敵な貴婦人。

 今日も綺麗なドレスを着せてくれて、化粧もさせてくれた。

 そのまま事に及ぼうとするから思わず、ドレスが皺になっちゃう! と言ったけれど、ジュスティーヌ様は知らん顔。

 きっと今日みたいなドレスを何着も持っていらっしゃるからだわ。

 あなたは私の友達ね。彼女はいつもそう言ってくれる。

 仏蘭西では友達とこういうことをするのかしら? 世界は広いわ。


 今日もジュスティーヌ様はお小遣いをくれた。

 私の価値は3シリング。でも、ジュスティーヌ様の前ではもうちょっとだけ高級な娼婦になれる。

 少しだけ嬉しい。

     一八八八年 七月十五日 ジル・アン・エドワーズの日記
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