マイLOVEヒーロー
茜は俺の中の触れちゃいけない部分に触れた
それだけで憎しみが溢れ出す
俺の中の黒い部分
どんなに逃げても追い掛けてくる
俺の冷たい表情に茜は怯えているみたいに黙ってる
なんだよその顔は
俺を好きだったんじゃないのか
茜に近づいてそっと顔に触れた
「桜、汰…」
触れている部分がほんのり赤く染まる
だけど、そんな茜に俺は
「俺知ってるよ?お前が愛俚沙(アリサ)のお気に入りに手を出したの…」
低い声で囁いた
それを聞いただけで茜の顔が真っ青になった
てか、知らないとでも思ってたのか
「愛俚沙さんは!!」
「愛俚沙は知らないよ…」
そんなに愛俚沙が怖いか
知らないことを伝えると
あからさまにホッとした表情を見せた
「俺は言うつもりないからお前も俺に関わるな。」
茜を立たせ埃を払ってやり
自分の鞄を持ち部屋のドアの開ける
「桜汰!諦めないから!本当に桜汰が好きだから。茜なら桜汰の過去も何もかも受け止められるから。だから、こんな事位じゃ諦めないから」
…パタン、
振り向かず扉を閉めた
お前には俺の闇を晴らすことなんて出来ない
お前は俺を見てるんじゃない
お前が見てるのは俺の後ろにある
大きな影だろ……