マイLOVEヒーロー
「オウタ見て、だんごむしだよ」
「本当だ。懐かしいな。」
銀星とだんご虫をツンツンして遊ぶ
「ママはムシがキライなんだよ。」
丸まっただんご虫を手の平に乗せながら
銀星が笑顔で教えてくれる
「だからね、ボクが虫もっていくとムリーってにげるんだよ!」
花穂ちゃんの顔真似なのか
目を見開いて変な顔しておどけて見せる
その顔が可笑しくて吹き出した
「バカっ。銀星面白過ぎ…」
「だって本当なんだよ。こんな顔して…」
「アハハハ!!やめろって、このっ!!」
ずっと変な顔してる銀星を抱き上げてグルグル回した
「キャハハハハ!!!」
「おっ。楽しいか?じゃあこれは??」
「わぁ…たかい…」
今度は肩車で走ってやった
「すごい!!オウタ!!」
嬉しそうに笑う銀星が可愛くて
もっと喜ばせたくて
肩車したまま公園中を走ってやった
父親を知らない銀星は
きっと力遊びとは無縁だったのかもな
だからこれから沢山の事を
銀星と一緒に経験してやりたいって素直に思えた
それだけ俺にとって銀星って存在は
かけがえのない大切なものに変わり始めていた