マイLOVEヒーロー

あっ……


一瞬だけ舞台と客席で視線が絡まり合う


ほんのわずかな時間


だけど不思議な感覚



瞳と瞳で合図を送るように


桜汰君は優しく笑いかけてくれた


そして私と銀星に向けて小さくピースサインを投げた



『キャー!!!』


後ろの席の若い子達が甲高い声で叫ぶ


いつも近くで見ているはずなのに


桜汰君のその行動は


私の胸の鼓動を何十倍も早くさせた




どうしよう……



私本当に桜汰君が好きだよ



当たり前だけど


大好きだよ



「桜汰君!!頑張れ!!」


溢れる思いを伝えたくて


桜汰君に届けたくて


声が枯れるくらい叫んだ





ヒーローショーこれが最後のタンケンジャーだからか
終わりに近付くと熱狂的なファンの子達の泣き声が聞こえてくる



私と桜汰君を引き合わせてくれたタンケンジャー


銀星が気づかなければ出会ってなかった


それが今日終わる



そぉ思うとなんだか寂しくて


涙が頬を伝って手に落ちた


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