マイLOVEヒーロー
愛俚沙は何も言わず扉を指差し
茜に出て行けと合図をした
「はい、失礼します、、」
…パタン、、、
静かに扉は閉まり、茜は帰って行った
一人静まり返る部屋の中
愛俚沙は綺麗にデコレートされたピンク色の携帯を取りだし
何処かへ電話を掛け始める
「あぁ……私よ、、」
電話の向こうから聞こえる男の声は丁寧で
愛俚沙がどれ程の存在なのかが分かってしまう
「猿川茜のマネジャーに伝えて、あの子はクビって。
だけど、その前に脱がせてお金にさせて、、、それから…ネッ♪♪」
楽しい遊びの計画でも立てるかのよう、軽く指示を出す
「あとね、、、桜汰のマネージャーの哲也を呼んで。
今いない??私がすぐ来いって言ってるの!!
分かるわよね?すぐよ、、、」
苛立ちを隠せない様子で電話を切ると
携帯を床に思い切り叩き付けた
大きな音と共に、携帯の画面が黒くなり光らなくなった
「壊れちゃった。クスッ、簡単に壊れるのね♪」
ガシャン!!
壊れた携帯を履いていた高いヒールで更に踏み付け
「フフッ、、、、桜汰…壊れちゃったわ♪携帯、、、」
不気味に笑った
外は雨
まだ小雨…………
雨音と共に、暗い影がもぉすぐ姿を現す