マイLOVEヒーロー
食べ初めて1時間、、
ラーメンも食べ終わったから
タンケンレッドと楽しそうに話してる銀星に
「銀星、帰ろうか??」
声を掛ける
「うん……」
俯き加減に返事する
この顔はまだ居たい時の顔だな
仕方ないよね、、
憧れのレッドと話せて楽しそうだったもんね………
「おじさん。会計して。みんな一緒で、」
銀星と話してた私の前で桜汰君が右手を上げて口にした
「えっ!待って払います!」
「いいよ、楽しかったし♪」
お財布を出そうとする私を手で遮って、3人分のお金を払ってくれた
「さてと、送ってくよ。家どこ?」
へっ???
「いいよ!!流石にそれは悪いし!!」
慌てて断った
だって奢ってもらって、送ってもらうなんて図々しすぎるよ
「ダーメ、なんかあったらどうすんの?
旦那に怒られちゃうよ?」
旦那……
そぉだよね普通なら居るって思うよね
少しだけ下を向く私を桜汰君は不思議そうに見る
「旦那は…居ないの!」
変に思われたくなくて無理に笑顔を作った
作り笑顔は得意
だって笑わなくちゃいけない場面が、仕事でも日常生活でも沢山あるから
、、ポンッ
えっ……
頭の上に温かな手が置かれ
見上げると
優しい瞳が私を捕らえた
「なら、、尚更送っていかなくちゃな♪」
「あ、、、、」
頬が少しだけ赤くなる
「さて、銀星行くぞ!!」
「あ〜い。」
頭の上から手が離れて、ラーメン屋さんの扉を開いて外に出た
10月半ばの夜は、冬の訪れを待つかのように
少しだけ空気が冷たくて
彼は寒さを紛らわすように
銀星の暖かな手を握った