マイLOVEヒーロー

「あの、これ……」


「幾ら欲しいか書いて。」


テーブルに置かれた白い紙


それは、金額の書かれていない小切手だった



「つまり、お金で終わりにしろって事ですか……」


「よく分かってるじゃない♪」



小切手を黙ってみつめた



目を閉じて右手をお腹に当てる



大切な君を


お金に変えるなんて



「強がらないで早く、書きなさい。」


「イヤです。」


お腹を優しく摩りながら、2本目の煙草を手にする彼女に視線を向けた


「私は確かに強がりました。
でもそれは、好きだからこその強がりです……
愛してるから、だから辛いんです。でも、だからって彼が私を裏切ってるなんて思わない。」



だって知ってるから……



桜汰君が



誰よりも優しい人だって



だから



今も愛俚沙さんを抱いているとしても


それが嘘でも本当でも



「身体の裏切りがあったとしても、彼の気持ちと心は、私を裏切ってないと信じてるから…」



「なっ……!!」




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