マイLOVEヒーロー
「イヤよ……絶対にイヤ!!」
黙って聞いていた愛俚沙さんが急に怒鳴りだして
「絶対に許さない………
桜汰は私のもの、、、誰にも渡さない.....」
視点をさ迷わせながら
携帯をいじりだした
髪を何度も掻き上げ
尋常じゃないくらい爪を噛む
その姿は
まるで癇癪を起こした子供のように見えた
……パタン
「フフッ..ウフフ……大丈夫、そのお腹の子供さえいなければ、桜汰は私の物だから..」
「えっ………」
不適に笑い、私のお腹を眺めている彼女に
恐怖を抱いた
嫌な予感がして、近くにあった携帯で助けを呼ぼうとした
…ガチャ、、
「遅いわよ!」
だけど、アパートの扉が開き
二人の男の人が顔を出した
「早く、連れてって。」
「あ………」
「大丈夫、一瞬で終わるから♪」
彼女は視線を合わせて、優雅に微笑んだ
その表情で
彼女が何をしようとしてるのか
「イヤ…………」
分かってしまった
「誰か、助けて!!」
私が叫んだ瞬間、
男二人が私を羽交い締めにして
何かを嗅がせた
「あ……………」
ダ....メ...
銀星………
桜汰君.....
意識が薄れていくなかで
二人の名前を
何度も呼んでいた………