マイLOVEヒーロー

「お−い花穂、どした?」


休憩が終わった私に千夏が話し掛けてきた


「あ〜…ハハッ何でもないよ」


はぐらかす様に曖昧に笑う


「ふーん…」


何かを察したみたいに
千夏が私の顔を黙ったままジッと見つめる


その視線に耐えられず、目が泳いじゃう


うっ…絶対怪しんでる


嘘をつくのが苦手な私


緊張して手がジンワリと湿ってくるのがわかる


「今日花穂ん家行く、いい?」


千夏が急に話しを振ってきた

「あっ、うん。祐吉君は?」


「いい、祐吉より花穂だもん。何にもなきゃそんな複雑な顔しないでしょ?」


千夏、、やっぱ敵わないなぁ


千夏の優しさに心がポッと温かくなっちゃうよ


笑顔で今日の予定を話し合っている私達目掛けて

「千夏ぅうう!!」


祐吉君が笑顔で走ってきた


「千夏、今日デートだよね?」


子犬のように目をクリクリさせながら千夏にねだる


だけど、、


「今日無理、花穂と銀星と遊ぶ事にしたから。」


「えぇ!!!」


バッサリ切られてしまった



「千夏…もっと優しくしてあげなよ。ごめんね祐吉君…」


シュンとしてる祐吉君が可哀相でフォローする



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