マイLOVEヒーロー

「おいっ!!」


「うわっ、荘和!!」


3人で抱き合う私達の後ろで荘和君の不機嫌な声が響いた



「お前等、俺の存在を無視すんじゃねぇよ!」


唇の端に痣を作っている荘和君



後ろから桜汰君の頭を軽く小突いた


「俺、今回かなり頑張ったんだからな、、」


「悪かったって、、本当助かったよ………」



謝って頭を下げる桜汰君に



「別に、、、」


って照れ笑いを浮かべた



「さてと、俺は店の仕込み遅れちまったから戻るぞ。
お前等はゆっくり帰れな。」


「あぁ、サンキュ……」


「荘和君、ありがとう……」



煙草に火を点けて、フゥ〜と鼻から煙りを出した



「花穂ちゃん、桜汰の事ヨロシクな…あと、また3人で飯食いに来いな。」



それだけ言葉にして


車に乗り込み行ってしまった



荘和君



本当にありがとう……





「花穂ちゃん…………」



「ん、、、?」



荘和君の車が走り去った方向を眺める私の肩に、そっと桜汰君が手を置いた



「これから、少しだけ行きたいところがあるんだ……」




「え…………」



桜汰君はどこに行くか教えてくれないまま



銀星を抱き上げて




私の手を引いて歩きだした−−−−−





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