マイLOVEヒーロー
夕暮れの中爽やかな春風が私達を包み込む
タクシーを広い、郊外のこの場所にたどり着いた
緑のなだらかの丘の上に
彩りどりの小さな花たちが無数に咲いている
「随分来てなかったんだ…」
桜汰君がポツリと呟く
花たちに囲まれた墓石
『木村家』という文字が刻まれていた
「ここって、、、、」
「あぁ………俺の母親が眠ってるお墓なんだ、、、」
桜汰君はお墓の前に立ち膝をつく、その顔は憂いを帯びていた
「俺、愛俚沙と関係を持ってからずっと来れなかったんだ……
ダメな自分を母さんに知られたくなかった−−−」
「桜汰君‥‥」
瞼を閉じて両手をゆっくりと合わせた
「母さん、、、ずっと来れなくてごめん‥きっと天国で心配してたよな。だけど、もぉ平気だから、俺は大丈夫。だから、今度は俺の新しい家族‥‥銀星や花穂ちゃん、それから新しい命を見守っててな‥‥‥」
噛み締めるように紡ぐ言葉たち
私と銀星も桜汰君の隣に座って目を閉じた
「私、、、まだまだ未熟ですけど‥桜汰君を精一杯支えて行きたいと思います。」
天国のお母さんに聞こえるように大きな声で言葉にした