マイLOVEヒーロー

夕方、日が落ちる頃


「ちょっと、恥ずかしいなッ‥//」


千夏お見立てのドレスに身を包む


鏡の前の自分は、デコルテ部分が綺麗に開いた黒と白のストライプ柄のAラインドレス、そしてハーフアップされたの髪の毛についた黒いミニハットがキラキラと輝いていた


「何言ってんの!主役の奥様なんだからこのくらいインパクトある方が良いって!」


千夏が腕を組んで満足そうに笑う


‥トントン


「入ってい〜い?」


扉の外から祐吉君の声がした


「いいわよ、祐吉。」


「じゃあ、入るね〜♪迎えの‥‥って二人とも可愛い〜!!綺麗〜!!」


5カ月になる長女南夏(ナナ)ちゃんを抱いた祐吉君が、扉を開けて目を丸くした


「千夏〜、その赤いドレス凄い綺麗だね!!」


「当たり前でしょ‥‥‥南夏おいで♪」

南夏ちゃんを抱く千夏は、指であやしながら柔らかい笑みを浮かべてるけど


「さっ、試写会に行くわよ!!」



張りのあるいつもの声が部屋中に響き渡る


千夏と祐吉君は都内のマンションに子供と3人で幸せに暮らしてる



「ほら、祐吉!!これ持って!」


「はい!?」


相変わらず千夏様は健在らしく、今やトイキッズ東京店の店長にまで出世した祐吉君をあごで使う恐妻です





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