マイLOVEヒーロー

でもね、そんな千夏に相変わらず惚れまくりの祐吉君は


「祐吉?」

「ん‥‥??」



「大好きよ♪」


飴と鞭を上手く使われて、今日も掌でコロコロされています







「おーい、行くぞ!」


「あっ‥‥荘和君!!」


「早くしろよ、チビ共が飽きちまうぞ。」


「はーい、今行く!!」


私や千夏が身支度を整えている間、リビングで子供達の相手をしていてくれた荘和君の声がする


慌てて下に降りていくと

坊主頭が少し伸びて、ツンツンと立っている荘和君がビシッとスーツを着こなして煙草を吹かしてた


「ごめんね、荘和君!!」


「いや、平気。それより早く出発しないと遅れるぞ、、」


「うん、銀星、凛々果、千夏達も行こッ!!」


ただ一人、今だ独身の荘和君、って言ったってまだ23歳なんだから当たり前なんだけど

イカツくて男前の荘和君に彼女が居ないのが不思議だよね‥‥


彼曰く、
『仕事が楽しすぎて、女に回らない』らしい

荘和君のお店は、来春にも2号店がオープンするらしく
その準備で忙しいのも原因なのかもね。



庭に出ると、門の前に長いリムジンが一台乗りつけていた

「あれに乗るの!!」

「レットカーペットを歩くんだから、あれくらいじゃないと格好つかないだろ?」


驚く私に、当然と言わんばかりに荘和君が返事をしてリムジンに乗り込んだ


「早く、花穂!!」


千夏に促されて、私はリムジン乗り込む


高鳴る鼓動


大好きな貴方の待ちわびた日



六本木ヒルズにある会場にリムジンは静かな音を鳴らして出発した



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