マイLOVEヒーロー

どれくらい時間が経っただろう


なかなか戻らない二人に不安が募る


『ママなんかキライだ!!』


初めて言われた


叩いてしまった手を見つめながら


罪悪感だけが波のように私の心に押し寄せた



子供から拒絶されるのがこんなに悲しいなんて



私のしてきた事、全てが間違いだったの??



でも瑛二だって死にたくて死んだわけじゃない


幼い銀星に理解するのが難しいのなんて分かってる


だけど


だけど、聞きたくなかったの


『パパなんていらない』


その言葉だけは聞きたくなかった……



ふと桜汰君に触れられた頬を撫でてみた


暖っかかったな、、、



何故だろう……


桜汰君に任せろって言われた時


涙が出そうになった



今まで一人で育てていて
『頑張れ』とか『強いね』ってたくさん言われた



だけど『俺を頼れ』なんて言われたの今日が初めてで


銀星の事で悲しくて仕方ないのに


桜汰君の声が


手が


私を安心させてくれてた



どんどん暗くなる空に

銀星も桜汰君も居ない寂しさが込み上げてきて


しゃがみ込んだ


「ウッ……ヒック……」



早く戻って来てよ……



銀星


桜汰君……


心の中で何度も



何度も




叫んでた……





< 44 / 303 >

この作品をシェア

pagetop