マイLOVEヒーロー
♪キスまでの距離♪
「桜汰、くん…」
さっきまで銀星が腕の中にいたはずなのに
今は銀星じゃなくて
私が大きな身体に包まれてる
銀星に視線を移したら、
きちんと座布団の上に寝かされていて
気持ち良さそうに寝息をたててた
「花穂ちゃん泣いていいよ?」
「えっ??」
「今まで強く生きなくちゃって必死だったんだろ??
だけどさ、、、、実際辛い事沢山あったんじゃないの?
なんつーかさ、時には弱音吐いたり泣いたりしたっていいんじゃないかな…」
辛い事…
なら沢山あった
周りの家族を見るのが辛かった
日曜日の公園で父親に遊んでもらってる、銀星の友達を見るのも
ファミレスに入るのも…
シングルマザーで大変ねって近所の人に言われることも
本当は
全部毎回泣きなくなった
私だって一人で育てたいわけじゃないのにって……
瑛二の死に納得しながらも
私や銀星を置いて行ってしまったあの人を
どこかで責めてた
「私…本当は、、でも泣くわけにはいかなかったの、泣いたら銀星に申し訳ないような気がして………
だってそうでしょ?泣いたり弱音を吐いちゃったら強い私でいられなくなる…」