マイLOVEヒーロー
外が寒かったせいか
中がすごく暖かく感じた
教室で歌を聞いかせてくれたり
先生に教えてもらって、折り紙を折ったり
銀星の普段の様子をたくさん見ることが出来た
たくさん遊んだ後先生が、子供達と協力してイスとテーブルを片付け始めた
片付け終わると先生の合図で
子供達が大きな輪になって座る
「では、お父さんやおじいちゃん、お母さん方は子供達を抱く形で座って頂けますか?
最後に児童と一緒に手遊びをしたいと思います。」
あっそっか、
もぉ最後なんだ
先生の呼び掛けに答えるように
お父さん達が子供の側に近付く
パパに抱っこされて嬉しそうに笑う子達
今年も母親は私だけかな、、
仕方ないことだけど
少し悲しくなる
そんな考えを消し去るように
頭をプルプル振り
さっ!!銀星のとこに行こっ!
私は銀星の父親でもあるんだから
気を取り直し銀星を探す
見渡すと1番奥に銀星の姿があって
「銀星♪♪」
って言いながら一歩踏み出した
それと同時に弾けるような笑顔で銀星が叫んだ
「あっ!!オウタ!!」
…ドキン…えっ??
誰??
私が近づく前に銀星が桜汰君の名前を呼んだ
まさか、だって
今日はアフレコで夕方までって
…トクン…
「ママ!!オウタだよ!!」
銀星がもぉ一度叫ぶ
…トクン
その声に合わせて
…トクン、トクン
後ろに振り向くと
そこには
ニット帽を目深に被り黒縁の眼鏡をかけて
息を切らしながら
「間に合った…」
って呟いてる桜汰君がいた