耳元で囁いて
○1ーオモテ
初めて、
キミを見つけた
瞬間から...
私はもう、キミの虜。
ー○1ーオモテ
見飽きた風景、
見飽きた光景、
見飽きた世界。
どれも、うざったいモノ。
消えて、無くなればいいと思うのに無くならない。
憂鬱な、世界。
毎日、毎日、
同じ事の繰り返しのこの世界は...私にとって、うざくてしょうがない世界。
今日も...
授業さぼろうかな。
私は、窓から見える青く澄み渡る景色を見ながら思った。
「橘さん、今...ヒマかな?...ヒマなら...これ、またお願いできる?」
私が次の授業をサボろうと立ち上がった時だった。
またか、この人。
この私の目の前にいる、顔を少しバレるかバレない程度に化粧を施した彼女は私に、今、ヒマ?と聞いていつも私に自分の仕事を押しつけてくる。
これで、6回目。
「うん、いいよ...出来たら持っていけばいいんでしょ?佐渡さん。」
「あ、名前...覚えてくれてたんだ。」
彼女は嬉しそうに言った。
私はそんな彼女の顔を見たくなくてそっぽを向きながら、うんと答えた。
てか、6回も頼まれたら嫌でも覚えるし。
私は心の中で彼女に毒ついた。