耳元で囁いて




“名前、覚えておいてね”


その言葉はまるで...次があるようで嫌だった。


フラフラと廊下で歩いていると...


「おい。」


「へ?」


誰かに呼ばれた。


今日はよく呼び止められるな。


そんな事を考えながら後ろを振り向くと、私はビックリした。



「...みな、み。」


....南が、怖い顔をしてそこに立っていた。



「友達と、昼は弁当食うって言ってなかったっけ?」


「言ったよ?」


「藍仔って...男なんだ。」


「....ッ!?ち、違うよ。」


「...じゃ、誰?あの男。」



そう聞いてくる南の瞳は、とても恐怖を感じた。


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