耳元で囁いて
その後、私に必ずこう言うようになった。
『旭は俺のだろ?他のヤツと話すな。』
最初のうちは良かったけど、だんだん聞く度に嫌になってきた。
必要な事ぐらいは話したいのにそれもダメだって、言うようになったから。
だから...久々に昼休みは1人になった。
「ふぅ。」
久々の1人っていうのも悪くない。
最近の...南はイヤ。
なんか苦しい。
好きだけど...あの南はイヤ。
どれくらい居たかわからないけどボーっと校庭を眺めていた。
そろそろ、戻ろうかな。
私は立ち上がって、数歩進んだところであることに気づく。
あれ、藍仔に貰ったハンカチがない。
ポケットを探すがない。
ど、どうしよ。