耳元で囁いて




平川...俊か。


「平川君、じゃまたね。」


「あぁ。」



「旭ーー!!」


突然、大きな声で誰かが私を読んだ。


その声は怒りに溢れてる声で...しかも、あの人の....声だ。



私はゆっくりと振り返る。


やっぱり、彼はそこにいた。


「みっ....南。」


「旭、何で1人でこんなところにいるの?」


どんどん、どんどん迫ってくる彼。


「あの、あのね?...南...。」


「言ったよね?俺以外の男と喋るなって...旭は、俺のだろっ!!」


怒鳴り散らすように、私に言った南の顔は恐かった。


でも、そのあと必ず南は優しい声で言いながら、
「心配...したんだよ?」


抱きつくんだ。

だから言えない。
“恐い”“やめて”の言葉が。
南の傷つく顔を見たくないから。




「アンタ、それでいいの?」



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