耳元で囁いて




私は肩をビクつかせた。ボソッと呟いたような、そんな些細な言葉だったけど...私には突き刺さるような言葉だった。




“アンタ、それでいいの?”



やめて...やめてよ。
私の心を揺らさないで。

すると、私の体にかかっていた体重が無くなった。


「お前...平川か?」


南が、鋭い目つきで平川君を睨んでいた。


でも、平川君も南には負けていなかった。


「そうだけど?」


シレッと平川君が言った。


「お前....もう、旭に近寄るな。」


「....それってさ、アンタのエゴだろ?」


「あ?」


「束縛しすぎなんだよ。...秋野、彼女の事もうちょっと自由にしてやれよ。」


「...お前には関係ない。」


「俺が関係なくても、彼女はあるだろ。」


平川君は私を見た。
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