あの日の願い【短編】
*
七年ぶりに深大寺を訪れた。
特に意識して避けていたわけではない。
むしろ、ここは大切な人との思い出の場所。
僕にとって忘れてはいけない記念の場所だった。
そんな大事な場所であっても、身近に住んでいるからこそ足が遠のく事もある。
駅前からバスで十五分足らずのこの場所に、七年も訪れる事が無かった事に僕自身も驚いていた。
世界的な不況の波をモロに受けて、僕の勤める会社では人員整理が始まっていた。
幸いなのか不幸なのか、辛うじてクビの皮一枚で繋がっている状態。
昔のように毎週末、どこかに遊びに出かける時間も気力もない。
遊ぶ以前に休日も仕事をする事が多かったし、休みの日には体を休める事に集中したかった。
そんな訳で、休日にユイと出掛ける機会も減っていた。彼女は、インドア派を自称している。家でDVDを見ている方が、休日の過ごし方としては正しいと思っているらしかった。
特に意識して避けていたわけではない。
むしろ、ここは大切な人との思い出の場所。
僕にとって忘れてはいけない記念の場所だった。
そんな大事な場所であっても、身近に住んでいるからこそ足が遠のく事もある。
駅前からバスで十五分足らずのこの場所に、七年も訪れる事が無かった事に僕自身も驚いていた。
世界的な不況の波をモロに受けて、僕の勤める会社では人員整理が始まっていた。
幸いなのか不幸なのか、辛うじてクビの皮一枚で繋がっている状態。
昔のように毎週末、どこかに遊びに出かける時間も気力もない。
遊ぶ以前に休日も仕事をする事が多かったし、休みの日には体を休める事に集中したかった。
そんな訳で、休日にユイと出掛ける機会も減っていた。彼女は、インドア派を自称している。家でDVDを見ている方が、休日の過ごし方としては正しいと思っているらしかった。