真実愛


しばらくすると奥から占い師の人が戻ってきた。

「お待たせしました。唐突ですが、美海さんはタイムスリップというのをご存じですか?」

は?タイムスリップ?

「知ってますけど…。なんか別の時代とかに飛ぶんですよね?私はそんなん信じてませんけど。」

「100年に一度だけ、あるんです。タイムスリップと呼ばれる現象が。おそらく、美海さんはこの時代の人ではありません。」

意味のわからないことをはっきりと言う占い師。

どうなってんの?私はこの時代の人じゃないの?

理解できない。頭が働かない。

「美海さん。きっと、夢に出てきた男性は美海さんの…いえ、サラさんの恋人かと思われます。なにか、思い出せませんか?懐かしいと思う場所とか…」

「ちょ、待ってくださいよ!タイムスリップって…。」

思考が追いつかない私の代わりに、さなが大声を上げる。

「美海さんはずっとこの町に住んでいるのですか?」

さなの声を無視して、私に話しかける。

「え?去年、ここに引っ越してきましたけど…」

まだ話を理解しきれてない私は、とりあえず占い師の質問に答える。
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