短編集『固茹玉子』
「ふう」
その騒乱のどさくさに現場を離れた俺は、俺の相棒が囚われている、かつてはボスと呼んでいた男の住まいへと向かった。
普段なら門を守っている筈である見張りの姿も無い。きっと俺を探す為に総動員されているのだろう。それにさっきのガス爆発の救助にも駆り出されている筈だ。
「これは好都合だな」
耳元で跳ねた弾丸の所為で鼓膜が破れたらしい俺の声は、耳から入るというよりも、心にそのまま反響しているかのようだ。
その騒乱のどさくさに現場を離れた俺は、俺の相棒が囚われている、かつてはボスと呼んでいた男の住まいへと向かった。
普段なら門を守っている筈である見張りの姿も無い。きっと俺を探す為に総動員されているのだろう。それにさっきのガス爆発の救助にも駆り出されている筈だ。
「これは好都合だな」
耳元で跳ねた弾丸の所為で鼓膜が破れたらしい俺の声は、耳から入るというよりも、心にそのまま反響しているかのようだ。