短編集『固茹玉子』
俺はいつも通りに家を出て、後は勝手に足の向くまま、気付いたら自分のデスクに座っているという無為な通勤時間を過ごした後。また気付けば昼食時間、次に気付けば退社時間と、これまた無為な労働を誰に強いられたわけでもなく行い、疲れた足を引き摺るようにして自宅に戻ってきた時にふと、
その事実に身体を貫かれたのである。
その事実に身体を貫かれたのである。