短編集『固茹玉子』
彼女を乗せてフリーウェイを疾走する。こいつも普段より張り切って、とびきりのシャウトを聴かせてくれた。

心身共に痺れた2人、勿論その後はご想像通り。

こいつは静かに俺達を待っていた。

熱く、狂おしい時間を終えた俺は再びキーを回す。息を吹き返したこいつは風となって、火照った俺達の身体を冷ましてくれた。

「貴方この辺では見ない顔ね。どこから来たの?」

俺はただ黙ってステアリングに手を乗せている。

「ま、いいわ。でも泊まる所は有るの? 私の部屋に来ない?」

つい昨日の事のようだ。

給油も終わった。そろそろ出発するとしよう。

さぁて、次の町ではどんな事が起きるかな?


《END》


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