短編集『固茹玉子』
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「うん、これでいい。書き出しはこれにしよ。引き算の美学だなっ♪」



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 物書きの男は、ベランダのプランターから何やら嬉しそうな声が上がった気がして窓を開ける。

 俄にかき曇った空からは、ポタリポタリと命の恵みが降り出していた。


 〈おしまい〉


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