フェーン・ルード・オム・ファイクリッド ~LeliantⅡ統合版~
「風呂に入りなおせ」
「いいわよ。別に」
城の居室に戻るなりそんな会話を交わすと、リリアはベッドに座った。彼が浴室に入るのを待って、寝間着に着替える。
横になっていると、明かりが落ちた。リュシオスがベッドに入るところだった。
「……おやすみ」
言って、あっさりと目を閉じる。王都を出て落ち着いてから、ずっとこうである。彼女を呼ぶことも、抱き締めることもない。
「……ねぇ、リュシー……」
彼女が声をかけると、彼は目を開けた。
そっと、包み込むように頬に手を当てると、彼はそれを振り払い、
「いい。必要ない」
言って、目を閉じ、
「居てくれるだけでいい」
寝息のような呼吸音を立て始めた。
――なんとなく、面白くない。
彼女はリュシオスに背中を向けて横になっていたが、目が冴えていた。暫くしてベッドを抜け出し、部屋からも抜け出す。
バルコニーで夜風に当たった。見下ろす湖面に、月の光が映り輝いている。
静かに時間が過ぎる。だが、いきなり後ろから肩を掴まれた。
「いいわよ。別に」
城の居室に戻るなりそんな会話を交わすと、リリアはベッドに座った。彼が浴室に入るのを待って、寝間着に着替える。
横になっていると、明かりが落ちた。リュシオスがベッドに入るところだった。
「……おやすみ」
言って、あっさりと目を閉じる。王都を出て落ち着いてから、ずっとこうである。彼女を呼ぶことも、抱き締めることもない。
「……ねぇ、リュシー……」
彼女が声をかけると、彼は目を開けた。
そっと、包み込むように頬に手を当てると、彼はそれを振り払い、
「いい。必要ない」
言って、目を閉じ、
「居てくれるだけでいい」
寝息のような呼吸音を立て始めた。
――なんとなく、面白くない。
彼女はリュシオスに背中を向けて横になっていたが、目が冴えていた。暫くしてベッドを抜け出し、部屋からも抜け出す。
バルコニーで夜風に当たった。見下ろす湖面に、月の光が映り輝いている。
静かに時間が過ぎる。だが、いきなり後ろから肩を掴まれた。