フェーン・ルード・オム・ファイクリッド ~LeliantⅡ統合版~
 リュシオスが持ってきたのは、表紙に手書きで数字の書かれた本。開くと、手書きの文字が並んでいた。
 ……リュシオスの字だ。

 どうやら、リュシオスが統治の心得をまとめたものらしかった。リュシオスの言葉で、書いてある。

「……リリア」
 読んでいると、顔を上げずにリュシオスが言う。

「お前がして欲しいこと、して欲しくないことは言え。俺はお前に遠慮しない。欲しいままに生きる。……だが、お前の望みは分からないからな」

「……だったら、一人の時間とか設けてくれませんかね?」
「駄目だ」
 リリアが嫌味たっぷりに言うと、やはり間髪入れずにきっぱりと、
「お前を放したくない。他のことにしろ」

「だったら聞かなくても同じじゃない」
 リュシオスの手が止まった。

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