フェーン・ルード・オム・ファイクリッド ~LeliantⅡ統合版~
「……ねぇ、リュシー……」
「……何だ?」
「年、いくつ?」
「……十六」
リリアはまどろみから飛び出た。年下だったのか。しかも子供。
リュシオスは、ベッドから降りてガウンを着ると、棚の方へ行った。何か、鍵をいじるような音。ややあって、戻ってきた。
指輪が二つ。
「……結婚してくれ」
言いながら、リリアの左手に指輪を嵌め、もう一つを彼女の手に握らせる。
「……大丈夫。側にいる」
彼の左手に、彼女の手で指輪を嵌めると、それを待っていたように接吻してきた。
薄明かりの下で、微笑みながら。
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