フェーン・ルード・オム・ファイクリッド ~LeliantⅡ統合版~


「リュシー?」
 翌朝。目を覚ました彼は、ぼんやりと宙を眺めていた。リリアの声にも反応しない。

 しかし、一瞬、アイスブルーの瞳に意思が走り、

「リリア!」
 弾かれたように、リリアの腕を慌てて掴む。
「リリア……リリア!」
 リリアの腕を抱き締めて、

「……リリア」
 そこでまた虚ろになった。リリアの腕を放さないまま。

「……リュシー……」

 ――どうして……どうしてこんな……

 ――リュシーが何したっていうのよ……。



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