フェーン・ルード・オム・ファイクリッド ~LeliantⅡ統合版~
それから三日。リュシオスは、何があったか話さなかった。
時々、悲しそうな目でリリアを見つめ……しかし、何も言わない。
ベッドで上半身を起こして、本を読んでいたが、不意に、
「リリア。キスしたいからカーテン閉めてくれ」
顔を上げて言ってくる。まだ立つほどの体力はない。
……? 怪訝な顔をするリリア。
確かに女官が二名いるが、リュシオスはそんな性格ではない。しかも、声も必要以上に大きかった。
取り敢えず、言われた通りにカーテンを閉めると、
「ありがとう。こっちに」
言って、本当に唇を重ねる。いつもより長かった。
「気分も良くなったし、久しぶりに一緒に寝よう。抱きたい」
唇を離しながらまた言う。耳元で言うにしては大きな声。
「……合わせてくれ」
顔を離しながら、どうにか聞こえるような小声で囁く。
「う、うん。リュシー」
リリアが言うと、リュシオスは小さく頷いて、
「愛してるよ」
言って、リリアを抱き寄せた。
◇◆◇◆◇